朝6時。夫の出勤前に二人で家の近くのビーチへ向かいました。約一ヶ月間、眼病のせいで海に入ることを断念してきたけれど、長い時間海水に浸からなければ大丈夫だろうと自分で勝手に判断し、最近新調した冬用のウェットスーツに初めて袖を通しました。
ビーチに着いて車を止めてコンディションを確認。今日は波がとても大きく、よくサーフィンビデオなんかで見るチューブの波が何本もできてました。本当にこんなに激しいときに初心者の私が入って大丈夫かしら?恐怖心がどんどんと募りました。
まだ自分のボードは持っていないので、夫が沖へ出ている間、私は白い波のところでボディーボードで体を慣らしました。波の勢いが強いから、どんどんと押してくれる。その分ちょっと油断するとすぐ足が着かなくなるから怖い、怖い。足がつかないとパニックになる・・・そんな私がサーフィンなんて本当にできるの?
もともと山育ちだったし海水浴にほとんど縁のない幼少時代を過ごしてきました。小学校のころ、夏休みに家族と一緒に海旅行をしたのなんてほんの数回。数少ない海水浴経験の中で、今でもよく覚えてるのは8歳のとき。大きな波に飲まれた瞬間、握っていた父親の手が離れ、まるで洗濯機の中にでも入ってるかのようにグルグルと体が回転し、ビックリしてパニックして溺れかけたことがありました。今思えば、それがきっかけで徐々に波に対する恐怖心が増したのだと思います。10代半ばになると、しだいに海へ行くこと自体避けるようになりました。
それから数年が経ち夫と出会い、彼が私と正反対のアウトドア派だったことが影響し、なんとなくではあるもののシュノーケリングをしたり、ボディボードをしたり、海で泳ぐ練習を始めたりするようになりました。
今から7年程前の夏、夫とまだ結婚する前のこと。彼と彼のアメリカ人の友達と数人でバリ島へ行く機会があり、そこでボディボードを初めてやることにいたりました。なかなか上手くできるじゃん!夫のその一言に乗せられて、調子に乗って一人で奥の方まで行ってしまいました。潮の流れのせいでどんどんと遠くに流されていることに気がついたときには後の祭り。戻ることが困難だと分かった瞬間、パニックに陥りまたもや溺れるハメとなりました。不自然に浮き沈みしていた私の姿に気がついた夫。慌ててこちらへ向かってきました。私はパニック状態だったため、私の体を支えようとしている夫の頭を海面に押し付けてアップアップしていると、自分の身の危険を感じた夫のこぶしが目に前に。バコッ!顔面パンチをまともに食らいました。気を失いかけた私をズルズルと引っ張ってなんとか岸へ。夫の助けがなかったら、今ごろ私は・・・。考えるだけでゾっとします。
30歳になってサーフィンを始めようとするなんて、自分でも夢にも思っていませんでした。いつかは海に対する恐怖を打破したい。その気持ちはずっと持っていました。何をするにもきっかけが必要。せっかく近くに海があるのなら、このチャンスを逃すのはもったいない。恐怖心をどう克服できるかが、今度の重要な課題です。そのためには何度も海に浸かり慣らしていくことが必要だと思います。苦手意識がなくなり、海が大好きになれば自分の中の許容範囲が広がり、その分人生の楽しみが増えることを確信してます。多くの人を魅了して止まないサーフィン。自分もいつか、みんなが語るような快感を味わえることを信じて続けてみようと思います。

↑3日前撮影。